塗装工に資格は必要?現場で評価される資格と取得のコツを解説

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塗装工に興味があっても、「資格を持っていないけど大丈夫?」「そもそも何の資格が必要なのか分からない」といった不安を抱える方は少なくありません。実際のところ、塗装工として働くうえで資格が必須になるケースは多くはなく、未経験でも始められる現場が大半です。ただし、それは「資格がいらない=評価されない職業」という意味ではありません。


むしろ、長くこの仕事を続けていく上では、資格の有無が信頼性や収入に直結する場面が確実に出てきます。たとえば、責任ある仕事を任されたり、チームをまとめる立場になる際には、資格の有無が大きく影響します。また、現場によっては法律上必要となる資格もあり、持っている人とそうでない人では任される業務の幅がまるで違ってくるのです。


「塗装工に資格は必要か?」という問いに対して、単純なイエス・ノーでは答えきれません。まずはこの職業における資格の役割と、それがキャリアにどのように影響するかを、現場の視点から冷静に見ていく必要があります。




資格なしでも働けるが…評価・年収には影響あり

塗装工の仕事は、資格がなくても始められる職種のひとつです。見習いや補助作業として現場に入る分には、特別な免許や技能証明は求められないことが多く、働きながら覚えていける点がこの職業の入口の広さでもあります。実際、多くの職人が未経験からこの道に入り、現場で手を動かしながら技術を身につけています。


しかし、「資格がなくても問題ない」というのは、あくまでスタート地点の話です。経験を重ね、より責任ある仕事を任されるようになる段階では、資格の有無が評価や収入に影響しはじめます。たとえば、同じ塗装工でも、主任者や職長クラスの立場に立つためには、一定の資格が要件となることもあります。


また、元請け会社や公共事業の現場では、法令で特定の資格保有者を配置することが義務づけられている場合もあります。有機溶剤を扱う作業では「有機溶剤作業主任者」が必要になり、足場の組立てがある現場では「足場の組立て等作業主任者」が必須です。こうした場面では、資格の有無がそのまま「現場に入れるかどうか」「責任者を任されるかどうか」を左右します。


つまり、資格は「スタートに必要なもの」ではなく、「成長のステージで求められるもの」と言えます。キャリアを積み重ねるなかで、自分の価値を高める手段として、意識的に資格を取得していくことが求められるのです。




国家資格から技能講習まで、塗装工に役立つ資格まとめ

塗装工としてキャリアを築くうえで役立つ資格は、国家資格から短期間の技能講習までさまざまです。それぞれの資格がどのような場面で評価されるのかを把握しておくことで、必要なステップが明確になります。


まず、最も代表的なのが「塗装技能士」です。国家資格であり、等級は二級と一級があります。二級は実務経験があれば比較的早く取得可能で、基礎的な技能の証明になります。一級はさらに高度な技術を求められるため、熟練者としての証明になる資格です。会社によっては、一級を持つことで施工責任者として認められ、手当が加算される場合もあります。


また、「有機溶剤作業主任者」は、有機溶剤を使う作業において法律で設置が求められる資格です。取り扱う塗料によっては、現場で必須とされるため、持っておくことで現場での稼働率が上がります。同様に、「足場の組立て等作業主任者」も足場上での塗装作業がある場合に欠かせません。


さらに、「高所作業車運転技能講習」や「フルハーネス型安全帯使用作業特別教育」など、安全管理に関する講習も評価されるポイントです。とくに公共工事や大規模現場では、これらの修了証を持っているかどうかが、現場配属の判断材料になることもあります。


資格の数が多くて混乱するかもしれませんが、大切なのは「何をやりたいか」「どんな現場で活躍したいか」を基準に、段階的に資格を取得していくことです。焦らず一歩ずつステップアップしていけば、確実にキャリアの幅は広がっていきます。




年収・役職・信頼性…資格がもたらす3つの利点とは?

塗装工にとって資格取得は、「仕事の幅が広がる」「責任ある立場を任されやすくなる」などの実務的なメリットだけではありません。実際に現場で働く人たちにとって、資格は年収・役職・周囲からの信頼という3つの面で大きなプラスになります。


まず収入面では、資格手当がつく企業が多く、たとえば「一級塗装技能士」を持っているだけで月額の基本給に上乗せされることがあります。さらに、公共工事や大手元請けの現場では、特定の資格保持者に対して作業単価が高く設定されるケースもあります。これは、資格が「技術の証明」として信頼されているからこそです。


次に、現場での役割です。資格を持っている人は、ただの作業員としてではなく、班長や職長といった指導的立場を任されやすくなります。これは責任も伴いますが、そのぶん待遇や将来性にもつながる重要なステップです。また、主任者や管理者として登録されるには、法的に一定の資格が必要な場面も多いため、キャリアアップを目指す上で避けては通れない道です。


最後に、現場内外での信頼性です。とくに元請け会社や施主との打ち合わせに参加するような立場になると、「この人は資格を持っている」という事実が安心材料になります。これは社内での評価にも直結し、次の工事への指名や継続的な案件の受注にもつながっていきます。


資格は「ただ持っているだけ」では意味がないと言われますが、それでも現場での評価基準のひとつとして確実に機能しています。努力がきちんと収入や信頼に結びつく仕事だからこそ、資格を通じて自分の価値を高める意義は大きいと言えるでしょう。




実務経験と試験対策。働きながら資格を取るには?

塗装工の資格取得には、実務経験が求められるものが多くあります。たとえば「二級塗装技能士」は2年以上、「一級」は7年以上の実務経験が原則です。したがって、未経験からいきなり資格を取ることは難しく、まずは現場での経験を積むことが必要になります。


ただし、資格取得を先延ばしにするのではなく、現場で働きながら少しずつ準備を進めることは十分に可能です。多くの企業では、働く職人が受験しやすいように、受験費用の補助や講習参加の推奨を行っています。中には試験前に社内で勉強会を開いたり、先輩が過去の試験内容を教えてくれる職場もあります。


また、「有機溶剤作業主任者」や「高所作業車運転技能講習」などの技能講習は、数日間の講義と修了試験で取得できるため、比較的早期にチャレンジしやすい資格です。こうした資格を先に取得しておくことで、現場での信頼が高まり、より幅広い作業に携われるようになります。


重要なのは、自分一人で抱え込まないことです。資格取得に向けた取り組みは、職場全体の方針や環境に大きく左右されます。上司や先輩が応援してくれる環境であれば、働きながらでも無理なく進められるはずです。逆に、現場が多忙すぎて資格取得に理解がない職場では、継続が難しくなることもあります。


だからこそ、資格取得を支援してくれる会社を選ぶことは、長い目で見て非常に重要です。環境さえ整っていれば、働きながらの資格取得は決して特別なことではありません。数年後を見据え、自分の力でキャリアを切り拓くための第一歩として、今から準備を始めてみてはいかがでしょうか。


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塗装工として成長したいなら、資格は「キャリアの土台」になる

塗装工の仕事において、資格は「なくても始められる」が「あると確実に広がる」ものです。現場経験だけで評価される時代ではなくなりつつある今、資格は技術力を証明するだけでなく、信頼・安全・責任を背負う覚悟の証としても見られています。


特に、長くこの仕事を続けていくつもりなら、資格は避けて通れない要素です。年収を上げたい、現場での役割を広げたい、自分の将来に選択肢を持ちたい——そう思うなら、どこかのタイミングで一歩を踏み出す必要があります。努力した結果がきちんと評価される仕事だからこそ、自分の手でキャリアを築くことができるのです。


そして、資格取得を本気で考えるなら、職場選びが非常に重要です。働きながら支えてくれる環境があるか、先輩が相談に乗ってくれるか、会社として制度が整っているか。これらは、モチベーションの維持にも直結します。


今の自分には何が足りていないのか、次に何を目指せばよいのか。それを整理するうえでも、資格という視点は有効です。焦らず、でも着実に。資格は、塗装工としての成長を支える確かな土台となってくれるはずです。


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